業界スコープ

【重要保安箇所】取材カーのリアブレーキシューを交換しました(その4)

先程の工程では各部品を洗浄しましたが、今度は組み立て工程に
入ります。
ここから先は先程のその2で撮影した写真と分解前の左側を参考に
進めていく事になります。

組み立て工程
交換部品DJシューセット
用意した交換用シュー タクティー製(トヨタグループ)

最近、車両の製造メーカーでない他社の自動車メーカーが製造メーカーに
代わって部品を製造販売することが起きております。
ベストフィックス(いすゞ系)やピットワーク(日産系)やドライブジョイ(トヨタ系)
というブランド名が展開されておりますが、今回の交換部品は車両製造
メーカー純正ではなく、トヨタ自動車の系列会社が製造販売しております
タクティー社が展開するドライブジョイブランドの部品を用意しました。
これらの部品は価格が製造メーカーの純正部品に比べて価格が半額以下
とお求めやすいだけでなく、性能や品質についても自動車製造メーカー
品質であり純正と変わりありません。
今回はこの部品を使って進めたいかと思います。

部品の取り付けについての重要な注意
ドラムブレーキのシューには左右で方向性があります。
シューの方向表示

写真の部品にトレーリングと書かれております。
その意味はと云いますと、カタログの諸元欄のブレーキについて
リーディングトレーリング」構造であり、それぞれのシューの特徴を
生かしたブレーキシステムであり、価格も安いことから多くの車で
使われております。
組みかたですが、
右後輪
(左)リーディング (右)トレーリング

左後輪
(左)トレーリング (右)リーディング
の構成で組み立て組み立てを行います。

サイドブレーキ分解
サイドブレーキ分解前表

写真にあります左側のトレーリングシューからリテーナーリングを取り外して
トグルレバーを取り外します。
このリテーナーリングは本来ですと再使用不可ですが、再使用しますので
きれいにマイナスドライバーやラジオペンチ等で外して下さい。

サイドブレーキ分解前裏
写真にあります突出している部品はアジャスターを
回す部品です。
この部分についていますスプリングは外さないで下さい。


リテーナーが外れましたら、ワッシャーの紛失に注意して洗浄工程に
あります方法にて洗浄を行って下さい。

サイドブレーキ組み立て前
洗浄が終わりましたら新品のリーディングシューにサイドブレーキを
トグルレバー ⇒ ワッシャー ⇒ リテーナーリングの順に組み
付けて下さい。

組み付けが終わりましたら、シューの取り付け方向と部品が
揃っているかを確認します。

組み立て前部品確認
シューの方向
右後輪
(左)リーディング (右)トレーリング

左後輪
(左)トレーリング (右)リーディング

各部品は揃っているか

確認後、組み付けに入ります。
グリス塗布

まず、バックプレートにブレーキグリースを写真にあります指定箇所に塗布します。
アジャスターのネジ部分にもブレーキグリースを塗布します。

アジャスターグリス塗布箇所

アジャスターにブレーキグリスを塗布しましたら、ネジと合体し、全てねじ込みます。
この際に出てきたグリスは拭き取って下さい。

サイドブレーキワイヤーにスプリングを差し込み、洗浄と組み付けを行ったリーディン
グシュー下部にありますサイドブレーキワイヤーの先端をバネをかしめた状態で
差し込みます。

サイドブレーキ外し前

組み付け時、写真にありますサイドブレーキワイヤーの組み付けにご注意下さい。

シューホールドピン ⇒ スプリング ⇒ リテーナーの順でリーディングシューを
固定します。

アジャスターをリーディングシューに差し込み、ギアの部分がかみ合っていることを
確認したら、上バネと下バネを取り付けます。
トレーリングシューに上下のバネの片方を引っかけながらホイールシリンダーと
下のピン部分にとアジャスターにかみ合わせながら取り付けます。
この工程が作業の中で一番難しい箇所であり、力業と知恵の輪並の技が必要
ですのでご注意下さい。
この際にホイールシリンダーのカップに傷をつけるリスクが大きいので、トレーリング
シューを引っ張る際に注意が必要です。

取り付けが完了したらシューホールドピン ⇒ スプリング ⇒ リテーナーの順で
トレーリングシューを固定します。

作業完了

組み立てが完了しました。
左側も同様の工程で完了させて下さい。

左右の組み立てが終了しましたら、左右それぞれのドラムを取り付け、タイヤのネジで
ドラムを押さえて下さい。

このままではサイドブレーキが効かない状態ですので、アジャスターの調整
行います。

サイドブレーキを20回以上掛けたり、離したりを繰り返して下さい。
この作業を行いますと、後部から「カチカチ」という音がしますので、音がしなくなるまで
繰り返して下さい。

サイドブレーキを開放して車輪を回してみて下さい。
少し、シューとドラムがこすれる音がすればOKですが、緩いと思う場合はサイドブレーキを
何度も引きます。
それでもの場合は、ドラムを外してアジャスタを均等に回数を決めて広げてみて下さい。
これらの調整が完了しましたら、サイドブレーキを引き、タイヤを戻し、復旧すれば完了です。

臨時整備記録
取材カーの臨時分解整備記録(整備手帳より)

整備手帳の臨時整備欄に「R L/Rブレーキシュー〇を書いて中に×」「走行距離」「日付」
「実施者」のところに交換された人のお名前と(自家)と書き込んで下さい。

今回は、筆者が全てを行いましたが、結構難しかったのは事実でありますが、
苦労のかいも合ってブレーキのキーキー音が止まりました。
読者の皆様には時折、ブレーキの清掃とグリスアップは重要な事ですので
必ず行って頂きたいと思いました。
ですが、取材カーにはまだ修理箇所がありますので、車検までに完了させたい
かと思います。


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2015/10/27(火) | トラック/自動車等 | トラックバック(0) | コメント(0)

【重要保安箇所】取材カーのリアブレーキシューを交換しました(その3)

先程の記事ではブレーキの分解を行いましたが、ここでは各部品の
洗浄とシューの部品交換を行います。
先程の記事でも書きましたが、汚れているからと云っていきなりエアガン等で
清掃することはブレーキダストが周囲に飛び散るだけでなく人体にも害を
及ぼす危険(粉塵による疾病等の原因)
もありますので灯油を洗油として使い、
脱脂等の仕上げにパーツクリーナーを使う事にしました。

洗浄工程
洗浄の模様
洗浄のため用意した洗浄セット

写真をご覧頂きますと、洗浄を行うために筆者は洗い桶として廃オイル受けと
部品を入れるザルとパーツクリーナーを受けるボールとブラシを2種類を併せて
準備しました。
なぜかと云いますと、パーツクリーナーだけでは速乾性のため、ブレーキダストを
落とす時間が稼げない事と、パーツクリーナーを大量に使うのではもったいない
からであります(パーツクリーナーは1本約300円前後します)
灯油であれば、どこの家庭にもあり、昨年等の持ち越し分を洗油として使えば
シーズン到来での廃棄も減らせ安上がりであり、少量でも(1リットル前後)
たくさん汚れが落とせますので経済的であります。

※灯油はブレーキダストだけでなく、ハブベアリング等のグリース落としやオートバイや発電機等の
 2サイクルエンジンの湿式エアクリーナーの洗浄等にも使えます。
 以下、当交換作業記事において「洗浄」という言葉が出てきた場合の洗浄方法(ブレーキドラムを除く)は
 この方法での洗浄の事を指します。


バックプレート清掃 バックプレート洗浄

清掃完了 スプリング、アジャスター、シューホールドピン、リテーナー

洗浄が終わりましたら、小物部品は必ず組み立て時までザルに
入れて保管して下さい。
万一、外した部品を一つでも紛失しますと、替え部品が到着するまで作業が
中止になり、車両が走行不能になりますのでご注意下さい。


部品整理
洗浄が完了した小物部品

ちなみにこのザルとボウルとブラシは100円ショップダイソーの製品を
使用しております。
ここでも、節約と工夫が凝らされているのも事実であります。

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2015/10/27(火) | トラック/自動車等 | トラックバック(0) | コメント(0)

【重要保安箇所】取材カーのリアブレーキシューを交換しました(その2)

先程の記事では、ジャッキアップを行い、ドラムを取り外すまでの工程を行い
ましたが、ここからは終了まで後戻りできない分解交換を行います。
読者の皆様が行う場合、以後の工程についての事前学習と自己責任の上で
進めて頂きたいかと思います。

分解工程
シューホールドピン分解

シューホールドピン拡大閉状態

まず、進行方向側のシューホールドピンを外します。
外しかたですが、プライヤーやペンチ等で写真のように挟んで手で裏側に
あるシューピンを押さえてスプリングを押し込んで回して外します。
写真下はシューピンによって固定されている状態です。
このピンを外す時はスプリングの飛びにご注意下さい。
続いて左側のシューピン(サイドブレーキ側)のシューピンを外します。

シューホールドピン一式取り外し完了

シューピンを外しますと進行方向側のブレーキシューが斜めになりますので
こじる感じで一気に分解します。

サイドブレーキ外し前

続いてサイドブレーキの分解を行います。
左側シューの下部にありますスプリングをラジオペンチ等でかしめながらサイド
ブレーキワイヤーの引っ掛かりを手で外します。

部品取り外し完了

取り外しが終わりましたら、外した細かい部品を全てザル等に入れて下さい。
これらの部品を1つでも紛失しますと、替え部品が入るまで車両が
走行不能の状態になりますのでご注意下さい。


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2015/10/27(火) | トラック/自動車等 | トラックバック(0) | コメント(0)

【重要保安箇所】取材カーのリアブレーキシューを交換しました(その1)

読者の皆様のため、筆者のため、編集部のために日夜休むこともなく走り回る
取材カーですが、先日、走行距離が17万Kmを突破しました。
筆者としましては導入から5年も経過し、新車から数えて13年目に突入する事と
最近リアの左側で異音が出ておりましたので点検をしたところ、ブレーキシュー
の磨耗が確認されましたので筆者にとっては初めてですが、ブレーキシュー
交換することにしました。
今回の交換作業は法令の保安基準で重要保安箇所であり、重要分解整備に
該当しますので、以前の車検と同様に複数の人の交換方法を学習した上で
実施しました。
読者の皆様が本記事にありますブレーキシュー交換作業を行う場合、筆者の
記事だけでなく、複数の方の実施された記事等を学習し、内容を十分に理解した
上で自己責任において実施して下さい。
万一、作業中にちょっとでも不安を感じた場合は直ちに中止した上でお取引のある
ディーラや整備工場に交換を依頼する事をお願いします。
では早速、取りかかる事にしたいかと思います。

取り外し準備
ナットゆるめ 輪留め ギア入れ

ジャッキアップ1 ジャッキアップ2
それぞれのサムネイルをクリックすると、大きな画像でご覧頂けます。
上部中央の写真は東京都による取材カーの車種の特定や破壊や窃盗対策として
画像に修正を加えております。


パンク修理の手順と同じく後輪のホイールナットをゆるめ、前輪に輪留めをし、ギアを
R側(AT車はNレンジ)に入れ、サイドブレーキを完全にゆるめます。
これ以後、輪留めを外しますと車両が動く状態になりますので、輪留めは修理が完了
するまで絶対に外さないで下さい。
準備ができましたら、後輪を2tフロアジャッキで持ち上げてウマを左右にセットして下さい。
写真ではジャッキアップ後にウマをセットしようとしましたが、ウマが大きくて入らなかった
ため、タイヤを車軸の下に入れ、通常のジャッキを補助として入れてあります。
ジャッキアップをしましたら、左右のタイヤを外し、ホイールドラムを引き抜きます。

ドラム外し

取材カーの場合、あっさり手で引き抜くことができましたが、車種によっては写真にあります
車軸のボルトを外すケースや特殊工具(特にホンダ製軽自動車)や特別な手順(旧型マツダデミオ)
が必要な場合がありますので、サービスマニュアルやネット上の整備事例等の情報で
ご確認をお願いします。

外したドラム
取り外したドラム

取り外したドラムはサンドペーパーで少し均してからパーツクリーナーと
ウエス等で洗浄してゴミが入らないようにしておきます。
清掃時、いきなりエアガン等で吹きますとブレーキダストが周囲に散り、
人体に悪影響を及ぼしますので絶対にエアガンでの清掃はお止め下さい。

ドラムがはずれましたら、ブレーキシューとのご対面となります。

分解開始前

おびただしいブレーキダストに囲まれておりますが、左右のブレーキシューをご覧
頂きますと新品と比べてすり減っていることがお分かり頂けるかと思います。
ここから先はブレーキの分解となり、途中で中止することはできませんので
よくご検討の上でお進み下さい。
尚、ここから先の工程を進めるに当たって分解前の写真を複数撮影しておくことを
おすすめします。
実を云いますと、筆者もこの写真のおかげで組み立て時に助けられました。
時には力業とタイミングも必要になりますので、覚悟の上で進めて下さい。

分解したドラムやシュー回りを汚れているからといって絶対にエアガン等で
吹きつけ清掃はしないで下さい。
周囲にブレーキダストが飛び散り危険なだけでなく、疾病等の原因になります。


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2015/10/27(火) | トラック/自動車等 | トラックバック(0) | コメント(0)

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